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認知症診断支援ソフトウェア「画像解析プログラム MVision brain🄬」が薬事認可を取得

更新日:2023年6月28日

グローバルの研究界で広く利用される脳MRI画像数値化技術による認知症診断支援情報の提供

株式会社エムは、「画像解析プログラム MVision brain🄬」(以下、「MVision brain」)が、頭部MRI画像から脳全体の任意の構造物 (*1) の体積を数値化するプログラムとして薬事認可を取得したことをお知らせいたします。(認証番号 305ADBZX00047000、認証日 令和5年6月20日)

*1 構造物とは、「海馬」「扁桃体」「前頭葉」「側頭葉」「頭頂葉」「左半球」「右半球」といった脳を大小さまざまな単位に細分化した部位を指します。


画像解析プログラム MVision brain とは

MVision brainは、頭部MRI画像の情報から、脳の各構造物の体積(萎縮度合)を定量化することにより、医師の診断を支援する医療機器プログラム(SaMD: Software as a Medical Device)です。

認知症診断の臨床現場では、問診、機能検査等とともに、頭部MRIによる画像診断が実施されます。医師の知識と経験に基づく疾患の鑑別 (*2) を支える診断支援情報として、重要な構造物の萎縮度合が数値で示されれば、診断の効率と正確性の向上に役立つことが期待されます。

症候群である認知症は、近年期待の高まる治療薬の適切な処方など、どのタイプの認知症なのかという疾患鑑別の正確性が重要になります。MVision brainは、複数ある診断項目のうち画像診断の分野での診断に貢献します。

*2 アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症、前頭側頭型認知症、特発性正常圧水頭症などの鑑別診断


MVision brainの機能

  • 脳MRI 画像からの構造物の定義、体積の算出

  • 健常者の脳体積データとの比較・評価


MVision brainの特長

MVision brainの強みは、その機能の「柔軟性」です。脳全体の任意の構造物を対象に、体積を正確に数値化するとともに、健常者ビッグデータから得た年齢別の体積値の分布を基に、対象者の脳画像の特徴を数値で評価することができます。

構造物の例としては、海馬、扁桃体、前頭葉、側頭葉などがありますが、認知症の診断に用いられる構造物を医師の要求に応じて任意に出力可能です。脳に存在する大小505種類の構造物の情報を出力可能であり、複数の構造物の体積の相関を出すなどの追加の処理も可能となります。また、今後、臨床現場で新たな画像診断の手法が確立した際にも、MVision brainは、その手法に対応した構造物の情報の提示や処理が可能です。


MVision brainの技術と実績

MVision brainは、創業者で米国ジョンズ・ホプキンス大学医学部放射線科教授の森進が自ら開発したAIをベースに、数万件を超える健常者の脳画像ビッグデータの大量解析の結果を基に、医療機器プログラム(SaMD: Software as a Medical Device)として再開発したソフトウェアです。

MVision brainの核となる画像解析AIは、研究目的に限り無償で利用可能であり、国内外で利用する研究者数が4,000名を超え、研究論文が100本超発行されるなど、学術研究界で広く利用実績があります。

認知症関係の研究が今後進展するにつれ、認知症診断において着目すべき部位やその組み合わせ評価に関して新たな知見が出てくることが期待できます。学術研究界での利用実績のある画像解析AIを共通の核とするMVision brainであれば、最新の研究で得られた知見に応じて測定項目、評価項目を柔軟に調整することが可能です。


今後の展望

未病段階における脳の健康状態の可視化を目的とした「脳健康評価プログラム MVision health」(以下、「MVision health」)は、頭部MRI画像を利用した一般消費者の方向けのサービスとして、2022年7月に提供開始しております。MVision healthは、MVision brainと共通の画像解析AIを核としております。

MVision brainの薬事認可取得によって、未病段階から既病段階まで認知症医療の各フェーズを一貫して支援するプロダクトが提供可能になりました。

これにより、健診を行う医療機関以外をはじめ、診療科と健診センターを併設する総合病院、診療科のみを設ける専門病院、クリニック、それぞれの異なる関心領域に対して、ご提案可能なソリューションの幅が広がります。

認知症医療でエムが手掛ける2つのプロダクト


株式会社エムの概要

米国ジョンズホプキンス大学医学部放射線科教授の森進が2021年6月に創業。世界の脳画像研究をリードする一人である森が、ジョンズホプキンス大学で開発したAI技術と、健康診断、脳ドックを通じて数十年にわたって蓄積された日本にしかない「未病段階」の脳画像データを活用することにより、MVision brainおよびMVision healthを開発しました。

エムは、医療画像解析の力で認知症医療をアップデートすることをミッションに掲げ、医療機関の皆様と協力し、数値に基づき脳の健康状態を客観的に評価する手段を広く普及させることにより、認知症等の脳疾患に対して理性的な対策ができる社会を創っていきます。

・資本金: 21,000,000円

・本社: 東京都港区三田2-10-6三田レオマビル10階

・「エム」コーポレートサイト: www.corporate-m.com

本リリースに関するお問い合わせ先 株式会社エム COO:谷口善洋

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